本日のSharp Objectsはここ最近あまり人気の無い 総柄Tシャツ をご紹介します。
古着において、人気があるかないかと面白い物であるかは全く別の話。
トレンドの枠を超えて審美眼を追い求める古着ディガーの皆様に向けて綴っていきます。
1980's "Symmetria" TieDye T-shirt
SIZE: L
¥35,200-
アメリカのグラフィックアーティスト "STANLEY MOUSE" をご存知でしょうか。
60年代のサイケデリックアートを代表する人物で、70年代にロックバンドのポスターやアートワークを多数手がけたことで知られています。
Grateful Dead、Journey、Jefferson Airplane、Janis Joplin など当時のロック/サイケデリック シーンを代表するアーティストにデザインを提供し、
この時代のサブカルチャーの一角を担った人物と言っても過言ではないでしょう。
そのSTANLEY MOUSEの惑星と昆虫のグラフィック。異常なクオリティーのタイダイと相まって格段にカッコいい。
"Symmetria" はタイダイとプリントのブランドで間違いないと思います。
集めれるだけ集めたい。めちゃめちゃ良い古着です。
1980's~ "Fast Lane" A/O printT-shirt
SIZE: L
¥11,000-
続いては80年代の無名アメリカブランドの総柄Tシャツ。
西洋の街並み、路面電車、犬、と脈絡のないイメージが
ランダムに、所々反転したりして描かれたカオスな総柄パターン。
"マジで何なんだコレは..." という物に出会えるのもアメリカ古着の面白いところ。
僕はこの手のブランドネームも後ろ盾も無い古着たちを "野生の古着" と呼んでいます。
名のある古着の反対側。審美眼が試されます。
1990's "M.C.Escher" T-shirt
SIZE: M
¥31,900-
オランダの木版とリトグラフの画家マウリッツ・エッシャーの総柄Tシャツ。
緻密な描写と構成で錯覚的な世界を構築し、騙し絵の巨匠とも言われています。
今回の1枚は模様を敷き詰めて柄を作る "テセレーション"という技法が用いられており、
その模様が少しずつ変化していくのがエッシャーの代表的な作風の1つです。
90年代にグッズとして売られていた1枚。アーティストのマーチでここまで攻めている物もなかなか無いかと思います。
古着としての面白さを求めるとスタイリングの汎用性は低くなってしまいます。
シンプルな物とクラシックが流行する今ですが、自分が着たいと思った物を "いかにして着こなすか" を考えてお洒落になっていくのが古着好きだと思っています。
そしてその作業の先に個性が見つかるはず。
コスパとかタイパとかを考えず自分の興味と衝動に一直線である事が、これからのオシャレなのかもしれません。
written by 大橋